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インドにて14(アシュラム編)

セラピーは地下室のような窓も何もない部屋で行われた。床や壁には人がぶつかっても怪我をしないよう、クッション体が敷き詰められていた。


それだけ激しい、ある意味危険なセラピーであることが分かった。


参加者は30人ほどであった。西洋人がほとんどで、日本人も数名いた。


リーダーの指導の元、第1週目の3時間笑い続けるというカリキュラムが始まった。

僕は案外このカリキュラムが肌に合った。トラウマは自覚していたが、元々ひょうきんでコメディアンな面も僕は持っていた。

特に面白いことなど無くても僕は笑い続けることが出来た。


数日たつと、セラピーの最中僕の周りに人が集まりだした。主に西洋人の女性だ。上手く笑い続けることが出来ない参加者が、無意味に爆笑する僕の姿を見て笑えるようになったのだ。

第1週目の後半は常に僕の周りに綺麗な女性が集まり、僕は嬉しかった。



2週目に入ると様相はガラリと変わる。部屋は薄暗い明りのみ、定期的に物悲しい”涙を誘うような”曲が流れた。

1日3時間泣き続けるのだ。感情に働きかけるのは、むしろこれからが本番だ。


僕は、辛い家庭環境だったので、泣くネタならいくらでもあると高を括っていたが、僕は苦戦した。

毛布にくるまって泣こう泣こうとしても簡単には涙は出なかったが、2日目、3日目になると僕も泣ける様になっていた。


セラピー中もホールで行われる夕方の瞑想には参加していた。2週目の半ばになると、瞑想中の胸の中の”ざわつき”が少なくなっているのが分かった。30分程度なら落ち着いて、苦も無く座れる様になっていた。

やはり、いきなり準備もなく瞑想を始めるのは難しいのだ。

心のざわつきが、一気に表面化するので、座るどころではなくなるのだ。


2週目のカリキュラムが終わった時は、精魂尽きた状態だったが、体の中は透明な管が通った様な、清浄な気分だった。


第3週目。1日3時間の瞑想。これだけ長時間座るのは初めてだった。場所を移して、美しい庭に面したガラス張りの明るい部屋で参加者は瞑想した。座ってみると案外3時間はすぐに過ぎた。


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ミスティック・ローズを無事終え、いつもの様にホールでの瞑想に参加していた時のことだ。

尾骶骨のあたりが何だかムズムズするなー、と感じた次の瞬間、バチバチっと尾骶骨から頭頂に向かって背骨の中を一気に電流が流れた。頭頂は強い静電気が発生したときのようにバチバチとした感触がハッキリあった。


両手のひらの真ん中にもバチバチと強い静電気のような感触があった。

成る程、これが世にいう”クンダリーニ”というやつか。。。

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